MIG溶接の基本知識

初めて溶接に興味を持った時、聞いた事のない用語が出てきて難しく感じるかと思います。
溶接にはMIG溶接、MMA溶接(アーク)TIG溶接と大きく分けて3つあります。
今回はMIG溶接とは何かを5つのステップに分けて詳しく解説していきます。

ステップ1 MIG溶接とは?MAGCO₂・ノンガス方式との違いは?
ステップ2 メリット・デメリット
ステップ3 使用する金属とガスの選び方
ステップ4 失敗しないMIG溶接機の選び方
ステップ5 初心者でも失敗しない始め方

ステップ1 MIG溶接とは?仕組みと特徴 MIGMAGCO₂/ノンガス方式の違いは?

MIG(ミグ)溶接とは、金属ワイヤを電極として連続的に送り出し、アーク放電で母材(金属)を溶かして接合する溶接方法の一つです。
MIGMetal Inert Gasの略で、アルゴンなどの不活性ガスを使いアーク部分を保護する方式を意味します。
電気を流すと、ワイヤ先端と母材の間にアークが発生します。
このアークの熱で金属が溶け、同時に送り出されたワイヤが溶け込むことで、金属同士がしっかりと結合します。
ガスがアークを覆うため、酸素や湿気から溶接部を守り、きれいで強度の高いビード(溶接跡)を形成できるのが特徴です。
MIG溶接は、トーチ(ガン)金具を押すと片手で操作できる為、手軽に溶接が出来ます。
溶接棒を交換する手間がなく、初心者でも安定した仕上がりが得られる人気の溶接方式です。

MIGMAGCO₂/ノンガス方式の違いは?

溶接方式 保護ガス 主な用途 特徴
MIG溶接 アルゴンなどの不活性ガス アルミ・ステンレスなど スパッタ(火花)が少なく、美しい仕上がり
MAG溶接 炭酸ガス+アルゴンの混合ガス 鉄・軟鋼など 強度が強く、建築・自動車補修などに多用
CO2溶接 炭酸ガス(100%) 鉄・厚板など 低コストだがスパッタが多く、やや上級者向け
ノンガス溶接 ガス不要(ワイヤ内部に薬剤) 屋外・DIY用途 風の影響を受けにくく、持ち運びに便利

 

MIG溶接は「きれいに仕上げたいとき」に最適な方式です。
反対に、ガスを使わない「ノンガス方式」は屋外作業やガスの手配の手間がないので初めて溶接をする方や簡易修理などに適しています。
ASAHI株式会社が扱うMIG溶接機も、ガス式・ノンガス式どちらにも対応しているモデルが多く、初心者から業務ユーザーまで幅広く人気です。

ステップ2 MIG溶接のメリットとデメリット

メリット

1. 初心者でも扱いやすい
トーチのトリガーを引くだけで自動的にワイヤが送り出される為、安定したアークのスタートが出来ます。
MMA溶接の様に溶接棒を当てなくて良いのでコツを必要とせず、安定した仕上がりが得られます。

2. きれいなビードが作れる
不活性ガスが酸化を防ぐため、溶接面が滑らかで美しい。スパッタ(火花や飛散金属)も少なく、後処理の手間が減ります。

3. スピーディーな作業
ワイヤーが連続供給されるため、溶接速度が速く、大きな部材や長いラインを効率的に溶接できます。

4. 幅広い材料に対応
鉄、ステンレス、アルミなど、さまざまな金属に対応可能です。特にアルミ溶接では、MIG溶接の仕上がりが非常に優れています。

デメリット

1. ガスボンベが必要(屋内向け)

 MIG溶接ではアルゴンなどのガスを使用するため、ボンベの準備や取り扱いが必要です。風に弱いため屋外作業には不向きです。

2. 設備コストが高め
ガスボンベやレギュレーターなどの付属設備が必要になるため、初期費用が少し高くなります。

3. 電源容量に注意
アルミや厚板を溶接する場合は、200V対応機が必要なことがあります。家庭用100Vでは出力不足になるケースもあるため、用途に合わせて選ぶ必要があります。ただし、上記のデメリットはガスを使用する場合になります。
ノンガス溶接(フレックスワイヤー)を使用すれば当てはまりません。
少し溶接したい方や、初めての方、薄板、鉄板を溶接するのであればノンガス溶接がオススメです。

ステップ3 使用する金属とガスの選び方

MIG溶接では、使用する金属に合わせてガスの種類を選ぶことが重要です。
間違えると仕上がりにムラが出て、強度が低下します。

金属の種類 推奨ガス 理由・ポイント
アルミニウム 100%アルゴン 酸化防止ときれいな仕上がり
MIG溶接の代表用途
ステンレス アルゴン+CO2少量 アーク安定性が高く、スパッタを抑える
CO2またはMAG 強度が必要な構造物に最適。
コストも安い。

 

風のある屋外や簡易作業ではノンガス方式(フラックス入りワイヤー)を選ぶのもおすすめです。MIG溶接は、不活性ガスによる保護できれいな仕上がりが得られ、トーチ操作も簡単で初心者でもすぐ始められるのが最大の魅力です。

スパッタが少なく、見た目も美しく仕上げたい!DIYや車・バイク修理にも使いたい!という方に、おすすめの溶接方式です。

ただし、ガス設備が必要な点や屋外での使用制限があるため、ノンガス併用タイプのMIG溶接機を選ぶと、より使い勝手が広がります。

ステップ4 失敗しないMIG溶接機の選び方

MIG溶接機は、初心者でも扱いやすく、きれいな仕上がりが得られる人気の溶接方式です。

いざ購入しようと思うと「100V200Vどちらがいい?」「ノンガスでも使える?」「板厚に合う出力は?」など、迷ってしまうと思います。

ここでは、自分に合ったMIG溶接機を選ぶため、家庭用DIYからプロ用途まで、購入前に必ず確認しておきたいチェックポイントをわかりやすく解説します。

① 溶接する金属・板厚で選ぶ

まず最も重要なのが、どんな金属を、どのくらいの厚さまで溶接したいかです。
MIG溶接機はモデルごとに対応できる板厚と金属の種類が異なります。

金属の種類 特徴・用途 注意点
DIY・家具製作・補修などに最も多い 100V機でもOK
ステンレス 耐食性が高く、厨房・屋外構造物などに 熱変形しやすいため低出力制御が重要
アルミ 軽量・美観に優れ、バイク・自動車部品などに 200V機+アルゴンガスが必要

 

一般的に、100V機では23mm200V機では58mm前後の鉄板が溶接可能です。
厚板を扱う場合は、必ず出力に余裕のある200Vタイプを選びましょう。

② 電源(100V200V)の違いを理解する

00Vタイプ(家庭用コンセント対応)
メリット:コンセントに挿すだけで使用可能、持ち運びしやすくDIYに最適
デメリット:出力が小さく、厚板やアルミ溶接には不向き

200Vタイプ(業務・本格派向け)
メリット:高出力で厚板溶接が可能、アークが安定して強度の高い仕上がり
デメリット:200V電源が必要(家庭では専用回路工事が必要な場合も)

最近は「100V200V兼用タイプ」も増えており、家庭でも業務でも使える万能モデルが人気です。

③ ガス式 or ノンガス式(フラックス入りワイヤ)を選ぶ

MIG溶接では、不活性ガス(アルゴンなど)を使用するタイプと、ガス不要のノンガス式(フラックスワイヤ使用)の2種類があります。

タイプ 特徴 向いる用途
ガス式MIG溶接 アルゴンガスで酸化を防ぎ、ビードが美しい 屋内作業・アルミ・ステンレス溶接
ノンガス式 ワイヤ内部の薬剤でアーク保護、ガス不要 屋外作業・簡易修理・DIY

 

ポイントは、「風が強い場所ではガスが流れて溶接が乱れる」という点です。そのため、屋外で作業することが多い方には、ノンガス対応のMIG溶接機が最適です。

④ 出力レンジと調整範囲を確認する

MIG溶接の品質を左右するのが、電流(A)と電圧(V)の調整範囲です。
ワイヤ送給速度と出力を細かく調整できる機種ほど、初心者でも美しいビードを作れます。

調整範囲の目安

• DIY・薄板溶接:30120A100Vタイプ)
厚板・プロ作業:40200A200Vタイプ)

デジタル表示パネル付きのモデルなら、電流値・電圧値を数値で確認でき、再現性の高い溶接が可能です。

⑤ 使用率(デューティーサイクル)をチェック

溶接機には「使用率(Duty Cycle)」という性能指標があります。
これは、「10分間のうち、連続溶接できる時間の割合」を示す数値です。
たとえば「60%」なら、10分中6分間の連続溶接が可能という意味です。
DIYや短時間の補修なら3040%でも十分ですが、連続作業が多い場合は60%以上を推奨します。

⑥ 操作性・安全性・メンテナンス性で選ぶ

初心者ほど「操作の簡単さ」と「安全性」は重視すべきポイントです。
ワンタッチ設定(ワイヤ径や電圧自動調整)
過熱保護・過電流保護機能
軽量ボディ・持ち運びハンドル
スプール交換が簡単
チップやノズルが市販品で入手可能

ASAHI製品の多くは、軽量・デジタル制御・保護機能付きで、初めての方でも安心して使用できます。
メンテナンス部品(チップ、ワイヤ、ノズルなど)は本体購入時に付属品として付いてきます。また付属品の販売もある為、長期使用に向いています。

⑦ 価格と保証・サポート体制も比較

MIG溶接機の価格は、性能や対応金属により1万円台~10万円以上まで幅広く存在します。
価格だけで選ぶと、出力不足やトラブルの原因になることも。
特に重視したいのは「保証とアフターサポート」。
購入後のトラブル対応や部品供給がしっかりしているメーカーを選びましょう。

ステップ5 初心者でも失敗しない始め方

家庭用でも扱いやすい溶接機が増え、DIYや小規模工房でも気軽に始められます。
溶接機を購入しようと検索するとたくさんの溶接機があり迷うと思います。
初心者に最もおすすめなのが、やはりMIG溶接です。
理由はシンプルで、きれいに仕上がりやすく、操作が簡単だからです。
MIG溶接は、トーチのトリガーを引くだけで自動的にワイヤが送り出され、アークも安定します。MMA溶接(アーク溶接)のように棒を短くしたり角度を調整したりする必要がなく、感覚に頼らず始められるのが魅力です。

さらにASAHIMIG140/MIG200シリーズは、
デジタル表示パネルで電流・電圧を調整
ガス・ノンガス両対応で屋内外OK
軽量設計でどこでも使える
と、初心者でも安心して扱える設計になっています。

最初の1台として「MIG溶接機 おすすめ」と検索する方の多くが、まさにこのタイプを選んでいます。
練習は「短時間・繰り返し」がコツ
最初から完璧なビード(溶接跡)を作ろうとする必要はありません。
まずは、短時間で良いので毎日少しずつ練習するのが上達の近道です。

練習のステップ例:
1. アークの感覚をつかむ(トーチ距離・音・光の強さ)
2. 直線溶接の練習(スピードと手の動きを一定に)
3. 重ね溶接・角溶接の練習(母材の角度と距離を安定させる)
4. 材料ごとの違いを体感する(鉄・ステンレス・アルミなど)

MIG溶接はアークが安定しているため、練習すれば誰でも短期間で上達します。

安全面は必ず確保しよう
溶接は高温・高電流を扱う作業です。
安全を確保してこそ、安心してスキルを磨くことができます。

基本的な安全装備
溶接グラス・溶接面・自動遮光ヘルメット:アーク光(紫外線)から目を守る
レザー手袋・前掛け:火花・スパッタ対策
耐熱靴・綿素材の作業着:合成繊維は溶けて危険
換気設備・マスク:ガス・煙を吸わないように注意

屋内で作業する場合は火の粉が飛ばない環境づくりが重要です。
近くに可燃物を置かず、コンクリート床などの安全な場所で練習しましょう。
ASAHI株式会社では、溶接初心者からプロまで使える高品質MIG溶接機を通じて、「誰でも始められる本格溶接」をサポートしています。

これから溶接を始める方に伝えたいのは、「最初の一歩がすべてを変える」ということです。
ASAHIMIG溶接機なら、初めてでも失敗せず、安全にスタートできます。
ぜひあなたも、自分の手で鉄をつなぐ感動を体験してください。