溶接機と資格について
初心者でも安心して始められるDIY溶接の基礎知識
溶接という言葉を聞くと、工場や建築現場で火花が飛び散る危険な作業を思い浮かびませんか?
「溶接は資格が必要な作業」と思う方も多いと思います。
本記事では「どんな場合に資格が必要なのか」「DIYではなぜ資格が不要なのか」「資格がなくても守るべき安全対策」などをわかりやすく5つのステップで解説します。
最後に初心者におすすめの溶接機も紹介しますので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
ステップ1 溶接の基礎知識!
ステップ2 資格が必要になるケース!
ステップ3 家庭用DIYはなぜ資格が不要で使えるの?
ステップ4 資格がなくても必ず守るべき安全ルール!
ステップ5 これから溶接を始めたい人へのアドバイス!
ステップ1溶接の基礎知識
溶接とは、金属と金属を高温で溶かし合わせて一体化させる技術です。
溶接にはどのようにして溶接するか種類があります。
アーク溶接:
電気のアーク放電を利用して金属を溶かす方法。一般的に鉄やステンレスの接合に使用されています。
MIG/MAG溶接:
ワイヤーを連続的に供給して溶接する方法。スピーディーで初心者でも扱いやすい。
TIG溶接:
タングステン電極を用いた方法。仕上がりが美しく、薄板やステンレス使われます。
TIG溶接はアルゴンガスや、アセチレンといったガスが必要となります。
ガス溶接:
酸素とアセチレンを燃焼させて高熱を発生させる方法。こちらは資格が必要。
工場や建築現場では構造物の強度を確保するために溶接が欠かせません。
一方で家庭用DIYでは自転車の修理、鉄製家具の補強、農機具の修理、趣味の工作など比較的小規模な用途が中心です。
「どんな目的で溶接をするか」によって、資格の要否が変わってきます。
ステップ2 資格が必要になるケース
「業務として」溶接を行う場合や、危険物を伴う溶接作業は資格が必要になります。
1. アーク溶接特別教育(特別教育修了証)
対象となる作業:
工場や建築現場でアーク溶接(手棒溶接、半自動溶接、TIG溶接など)を業務として溶接を行う場合。
根拠法令:
労働安全衛生法に基づく「特別教育」
取得方法:
労働局に登録された教育機関や安全衛生協会で講習(学科+実技)を受講。1~2日間程度。
資格があるとできること:
建設現場や工場などに勤めて、合法的にアーク溶接作業される際の必須条件になります。
2. ガス溶接技能講習(国家資格)
火災や爆発のリスクがあるため、国家資格として安全教育が義務付けられています。
対象となる作業:
酸素と可燃性ガス(アセチレンなど)を使うガス溶接・ガス切断。
根拠法令:
労働安全衛生法に基づく「技能講習」
取得方法:
公共職業訓練校や溶接協会で講習(2日間程度)を受講し、修了試験に合格すると修了証を取得できる。
資格があるとできること:
ガスバーナーを使った鉄材の切断や溶接が可能になる。鉄骨加工や工場現場では必須になります。
3. アルミニウム溶接技能者資格(JIS溶接技能者)
対象となる作業:
アルミニウムの溶接。特に建築や造船、自動車など強度が求められる製品。
根拠法令:
法律で義務ではないが、JIS規格に基づく技能認証制度。
取得方法:
日本溶接協会などで実技試験を受け、合格すると認定。
資格があるとできること:
公共工事や大手メーカーの製品製作において、アルミ溶接を担当でき信頼性が高まります。
4. JIS溶接技能者資格(ステンレス・鉄鋼・厚板など)
対象となる作業:
鉄・ステンレスなど、強度が求められる構造物の溶接。
根拠法令:
JIS(日本産業規格)に基づく民間資格。
取得方法:
実技試験(溶接した試験片を切断・曲げ試験などで評価)。
資格があるとできること:
建設・造船・プラントなど、公共事業や大規模工事で溶接作業を任されます。
5. 溶接管理技術者(WES資格)
対象となる作業:
現場の溶接作業を管理する立場(溶接計画の立案、品質管理、安全管理など)。
根拠制度:
日本溶接協会による民間資格。
取得方法:
試験に合格する必要あり。難易度が高く、実務経験が必要。
資格があるとできること:
大規模現場で溶接チームをまとめ、安全・品質を担保できる。監督者や責任者の立場に立てる。
家庭用溶接機でDIYを楽しむだけなら資格は不要です。
一方、工場や建築現場で「業務」として溶接を行う場合、最低限 アーク溶接特別教育 や ガス溶接技能講習 が必須。さらにステップアップしてプロを目指すなら JIS溶接技能者資格 や WES溶接管理技術者 などの上位資格が必要となってきます。
ステップ3家庭用DIYはなぜ資格が不要で使えるのか
次のような用途は資格なしで行えます。
• 自転車やバイクの部品補修
• 鉄製ラックや家具の修理・改造
• 農機具やガーデニング用品の修繕
• 趣味の金属工作(DIY作品づくり)
ホームセンターやネット通販で販売されている小型インバーター溶接機は、誰でも購入出来ます。資格を提示する必要もありません。日曜大工や趣味の範囲なら、特別な資格は必要ないのです。
資格不要で使える理由は、家庭用溶接機が安全性を重視した設計だからです。
• 出力が制限されている:産業用に比べ電流値が小さく、リスクが低い
• 安全機能を搭載:過負荷保護・過熱保護・ショート防止などが標準装備
• 電源が家庭用に対応:100Vコンセントで使えるタイプ
• 軽量で持ち運びやすい:作業環境に応じて安全に移動可能
資格が不要だからといって油断は禁物です。溶接には必ず安全上のリスクが伴います。
ステップ4 資格がなくても必ず守るべき安全ルール
資格が不要でも、安全意識は欠かせません。
以下のルールは必ず守ってください
• 保護具の着用:遮光面、溶接用手袋、防護服を必ず使用
• 換気の確保:溶接ヒューム(煙)を吸い込まないようにする
• 周囲に可燃物を置かない:火花が飛んで火災の原因になります
• 電源容量の確認:延長コードを使う際は太さ・容量を守る
• 家族やペットを近づけない:火花や光は思った以上に危険です
資格が不要だからこそ「自己責任」で安全を確保することが大切になります。
ステップ5これから溶接を始めたい人へのアドバイス
1. まずは「目的」を決めます。
何を作りたいのか考えてみてください。
目的が決まると、どんな溶接機を選べばいいか分かってきます。
たとえば、
家の中や庭で使う金属製の棚やラックを作りたい
鉄やステンレスを扱う「MIG溶接機」や「アーク溶接機」がおすすめ。
自転車やバイクのパーツ補修をしたい強度が必要なので、やや出力の高い「200V対応MIG溶接機」や「TIG溶接機」が向いています。
キャンプ用品やDIY家具を手作りしたい
家庭用100V対応のMIG溶接機で十分。軽くて初心者でも扱いやすい。
など、目的を明確にしておくと、「どのくらいの出力が必要か」「どんな材料を溶接するか」も判断しやすくなります。
2. 初心者におすすめの溶接機は「MIG(半自動)溶接機」
これから溶接を始める人にとって最も扱いやすいのが「MIG溶接機(半自動溶接)」です。
理由は
1. トーチの引き金を引くだけでワイヤーが自動送給されるため、操作が簡単。
2. 火花が安定しており、スパッタ(飛び散り)が少ない。
3. アーク(電気の火花)が切れにくく、失敗が少ない。
特に最近の家庭用モデルは100V電源で動作するものが多く、家庭のコンセントから直接使用できます。
たとえば「MIG140」「MIG200」などは、家庭用DIYにも十分な出力と安定性を兼ね備えています。
さらに、フラックスワイヤー(ガスなしワイヤー)を使用すれば、ガスボンベを用意する必要もなく、屋外でも手軽に作業できます。
初めてでも扱いやすく、購入時にワイヤーも本体とセットで入っているので購入してすぐ使えるという手軽さが、MIG溶接機が初心者に選ばれる理由の1つです。
3. 練習に最適な素材と方法
溶接を始めたばかりの方は、いきなり作品づくりに挑戦するのではなく、まずは練習素材で感覚をつかむことが大切です。
練習用のおすすめ素材:
• 鉄板(厚さ1.6mm~2.3mm程度)
• L字アングル(ホームセンターで購入可)
• スクエアパイプ(角パイプ)
これらを用意して、「直線」「T字」「L字」など、基本的なつなぎ方を練習します。
最初は「溶けているのか分からない」「穴が開いてしまう」と感じるかもしれませんが、それは誰もが通る道です。
次第にアークの音、溶け込みの深さ、ビードの見た目が分かるようになります。
練習のコツ:
• トーチを一定の速度で動かす
• トーチの距離を10~15mmほどに保つ
• 一度に長く引かず、5cm程度ずつ区切って練習
上達してくると、ビード(溶接の跡)が「うねうね」と均一なリズムで並ぶようになります。
この瞬間、「自分にもできた!」という達成感が味わえるはずです。
あなたにとってこの溶接機と出会った事で趣味が増え、週末の楽しみになる事を願っています。
溶接機選びに迷った際はぜひお手伝いせて下さい。