いざ、DIYで溶接機を使ってみようと思っても種類がたくさんありどれを選べはいいか分からなくなりませんか？
電圧の確保？100V／200V電圧の違いがあるけどどっちを選べばいいの？
家のコンセントですぐ使えるの？
そんなお悩みを解消していきます。

電圧とは何か？100V／200Vの基本

電圧とは、電気を押し出す力を表す値です。
水道の水圧に例えるとイメージしやすいと思います。

水道で水圧が高ければ勢いよく水が出るように、電圧が高いほど電気が強い力で流れます。日本の一般家庭のコンセント100Vの電源で、家電や照明などほとんどの機器はこの電圧に対応しています。

一方で200Vは主にエアコンやIHクッキングヒーター、工場設備など出力の大きな電気機器で使われる電源です。

溶接機においても電圧の違いがあります。

100Vの溶接機は家庭用コンセントに差すだけで手軽に使用でき、小型で持ち運びやすい反面、出力が限られるため厚い鉄板や長時間の連続作業には向いていません。

200Vの溶接機は、電流を安定的に流せるためアーク（放電）が安定し、厚板や本格的な作業に対応できます。ただし200Vは専用のコンセントやプラグの形状も変わります。配線工事が必要な場合があり、安全管理もより厳重にする必要があります。

電圧の違いは使える環境と作業できる範囲を左右する重要なポイントです。
DIYで軽作業なら100V、本格的な溶接なら200Vというように、用途に合わせた選択が必要になります。

100V溶接機の特徴

100V溶接機は、家庭用DIY向けにもっとも身近で初めて溶接を始める方にも使いやすい溶接機です。
日本の家庭用コンセントは一般的に100Vの電圧の為、特別な工事や設備を用意しなくても、そのまま差し込むだけで使用できるというメリットがあります。
手軽に始められる為、初心者の方や趣味で溶接をする方に選ばれています。

100Vのメリット

家庭のコンセントを利用する事が出来る為、専用の配線を工事する手間がなく、手軽に溶接を始められます。
100Vタイプは本体が軽量・小型の物が多くコンパクトで約5kg前後と持ち運びやすい為、収納場所も取りません。
ガレージや庭先で必要な時にさっと取り出せます。
本体価格が比較的安価で、消費電力も少ない為、電気代の負担も軽く、導入からランニングコストまで総合的に低コストで済ませることができます。

安全性が高め
200Vに比べると電圧が低いため、感電などのリスクも相対的に小さく、初心者でも安心して始めやすいです。
それでも、保護具やアース接続などの安全対策は必須となります。

デメリット

出力が低い
100Vは供給できる電力が限られるため、大きな電流を流すことができません。その為、厚い鉄板や硬い金属をしっかり溶かして溶接するには力不足になることがあります。

アークの安定性に欠けることがある
電圧が低いため、アークが不安定になることがあります。厚板や長時間の作業では、溶け込みが浅く、仕上がりにムラが出る場合もあります。

定格使用率が低い
連続稼働できる時間を示す定格使用率が低い製品が多く、本体の熱を下げる為一定時間使用したら冷却のために休ませる必要があります。長時間連続して作業するには不向きです。
定格使用率が60%であれば10分間のうち6分間は溶接できるけれど、4分間は使わずに本体を休ませる必要があります。
休ませず連続して使い続けると熱がこもり故障の原因になります。

100Vで出来ることの目安

DIYや趣味の工作：鉄製の棚やフレームの修理、小物製作など
薄板の溶接：板厚2～3mm程度までの金属溶接
屋外・簡易作業：小型で持ち運びやすいため、庭やガレージ以外で使用したい時、発電機と組み合わせる事で出先でも使用可能です。

200V溶接機の特徴

200V溶接機は、本格的な溶接作業に対応できる高出力タイプです。一般家庭に普及している100Vタイプに比べて電気の力が大きいため、厚い鉄板や大きな構造物をしっかりと溶かし込み、強度のある仕上がりになります。その分、電源の準備や安全対策には注意が必要となります。

メリット

出力が高い
200Vは電圧が高いため、電流を安定して流すことができ、溶接アークが強力で安定します。これにより、板厚5～10mm以上の鉄板でもしっかり溶かして接合可能となります。
建築資材や車両フレームの修理など、強度が求められる作業に向いています。

仕上がりがきれい
高電圧のためアークが途切れにくく、一定の温度を維持できる為、ビードが均一になり、スパッタの飛散も少なく、見た目が美しい仕上がりになります。

連続使用に強い
200V溶接機は定格使用率が高いモデルが多く、長時間の作業でも止まらず安定して使用できます。DIYというよりも、半プロや業務用の用途に適しています。

作業効率が高い
高出力により一度に深く溶け込みやすく、溶接スピードが速くなります。厚板や長尺の溶接でも効率的に仕上げられるため、作業時間を短縮できます。

デメリット

電源工事が必要な場合がある
一般家庭のコンセントは通常100Vなので、200V機を使うには分電盤から専用の200V回路を引く工事が必要です。
工場やガレージなら備わっていることもありますが、導入のハードルは100V機より高めです。

本体が大きく重量がある
出力が大きい分、トランスや部品が大型化するため、サイズも重さも増します。気軽に持ち運ぶというよりは、据え置きでの使用が前提となります。

コストがかかる
本体価格は100V機より高めで、電気代や消耗部品の消費も多くなります。

安全管理が重要
200Vは感電リスクが高く、扱い方を誤ると大きな事故につながります。アース接続や防護具の着用、配線チェックなど、周囲の安全対策を徹底し、自身の汗も気をつけてください。

200Vで出来ることの目安

厚板や構造物の溶接：建築鉄骨、車体フレーム、農機具など強度を要するもの。
長時間・高頻度の使用：仕事や副業で繰り返し使う場合。
仕上がりを重視する場合：アークが安定しているため、見た目も美しい仕上がり
本格的に金属加工をしたい方や、強度が必要な物の溶接をしたい方は200Vがおすすめとなります。

どちらを選べばよいか分からない場合、当社にお問い合わせください。

ご利用目的にあった最適なご提案をさせていただきます。