初めての溶接機選び

初心者が失敗しないための完全ガイド

本記事では、家庭用溶接機を選ぶポイントを、初心者でも分かりやすく解説します。
はじめて溶接機を選ぶ方の参考になればと思います。

溶接とは？

溶接とは、鉄と鉄などを繋げたい時に熱で溶かし繋げるものです。
例えばDIYの家具作り、農機具や自転車の修理、アクセサリー作りなど簡単なものを作りたい時に使います。

買う前に決める５つのポイント

ステップ１用途を決める
ステップ２使用する場所
ステップ３電圧を決める
ステップ４溶接の方法
ステップ５消耗品や保証の有無

ステップ1　用途を決める

大切なのは「どんな用途で使いたいか」を決めることです。
どんな目的で溶接機を使いたいのかがあると思うので、それがどんな材質なのか調べる事で溶接機が絞り込まれてきます。

一番扱いやすい素材は鉄（軟鋼）
販売されている家庭用溶接機でほとんど溶接できます。
薄板なら100V厚板なら200V必要です。
溶接の方法は、MMA（アーク）・MIG（半自動・ノンガスOK)・TIG

ステンレス（SUS）
錆びに強いが熱に弱い為、変形や変色に注意が必要になり鉄より難易度が上がります。
溶接後にブラッシング＋研磨する事で耐食性を保ちます。
溶接の方法は、MIG（ガス使用＋SUS専用ワイヤ）・TIG（DC＋アルゴンガス）
※ノンガスMIGでは溶接出来ないので、ガスの用意が必要になります。

アルミ
軽くて柔らかい為簡単に溶接出来そうですが実は難しい素材。
酸化皮膜が強く溶接前に脱脂と酸化皮膜除去が必須です。
溶接方法は、MIG（溶接ガン推奨）・TIG（AC＋アルゴン）
※電源は200Vあった方が良いです。

簡単にまとめると
鉄 → どの方法でもOK、初心者向き
ステンレス →ガスが必要
アルミ → TIG-ACや専用MIG機能が必要

ステップ２　使用する場所

溶接は金属を高温で溶かす為、その時火花や煙、熱が必ず発生します。
溶接する時、ガレージや駐車場、お庭を選ぶ方が多いと思います。
安全に作業する為に気を付けて欲しいポイントがあります。

1. 換気
溶接中は小さな金属粒子の煙（ヒューム）やガスが発生します。
これを長時間吸い込むと、頭痛や気分の悪さのだけでなく体にも害があります。
溶接する際は防塵マスクを着用して口や鼻から吸い込まないように対策して下さい。

2. 引火物の排除
溶接中は火花が飛び散ります。
飛び散る火花も高温な為、布や木材、紙などが近くにあると燃え移り火災の原因になります。
いざという時の為に、バケツに水を用意するか、消火器を用意しておくと安心です。

3. 感電の危険
溶接機は高電流を使う為、水気や湿気のある場所では感電する恐れがあります。
雨の日の屋外はもちろんですが、自分から出る汗にも注意する事が必要です。

4. 家族が近付かない場所
溶接中の光（アーク光）は、紫外線や青色光を含みます。
肉眼で見ると目を傷める原因やさらに火花や高温の金属片が飛ぶことがあります。
自身は防護服やマスクを着用していても家族はしていなくてケガに繋がるケースや作業に集中していて、小さなお子様やペットが近くに来たことに気づかないのはとても危険です。

ステップ3　電圧を決める

日本の一般家庭のコンセントは100Vです。
100V対応の溶接機は家庭用コンセントで手軽にはじめられます。
厚い金属は溶けにくく長時間使うとブレーカーが落ちることもあります。
溶接の目安は、100Vの場合、鉄板なら2～3mm

200V対応の溶接機を使用したい時、使用する場所に200V電源がない場合は、200Vの電源を導入する工事をする必要があります。
導入工事は建物に200Vの電源が供給されており、分電盤に空きがあれば１～２時間程度と言われています。
200Vの場合5mm以上の厚みがある鉄板やステンレスやアルミにも対応が出来ます。

ステップ４　溶接の方法

溶接の方法は大きく分けて３つ

1.ノンガスMIG(半自動溶接)
ワイヤーが自動で送り出され、安定して連続溶接できる方法。
「半自動」という名称は、アークの発生・ワイヤー送給は自動、溶接部の操作は人の手で行う点から来ています。
仕上がりがきれいでDIYに人気。

2.MMA溶接（アーク溶接）
電極棒（タングステン）を使って溶接したい所を軽く、つつくように擦りつけ金属を溶かす方法。
比較的安価で、コツを掴むと初心者でも扱いやすい。

3.LIFT TIG溶接(ティグ溶接)
不活性ガス(主にアルゴン)を使用して溶接する為、アルゴンガスの用意とTIGトーチが必要。
TIGトーチ別途購入が必要の場合が多い。電極棒(タングステン)と不活性ガスで溶かし接合する溶接法です。
繊細で美しい仕上がりだが操作が、難しく上級者向け

初心者におすすめの溶接方法
溶接を始めるなら「MMAアーク溶接」から挑戦する方が多いですが、「MIG溶接（半自動）」も非常におすすめです。
理由は、ワイヤーが自動で出てくるので、作業が安定するします。
火花が比較的少なく、仕上がりがきれいな為DIYでも家具作りや補強などに活用できます。
MIG溶接機から始めるとMMA溶接もMIG溶接も可能なので自分のレベルに合わせ長く使えます。