溶接前の準備リスト

安全に溶接機を使うための必須アイテムリストをご紹介

家庭用DIY向けの溶接機は、誰でも手軽に金属加工を楽しめるアイテムです。
手軽に出来る=安全。とは言えません。
安全に作業するためには「防護具の準備」は絶対に欠かせません。

自分の体を守るために用意すべき、5つのアイテム!

  1. 遮光面(溶接面・溶接マスク)
  2. 溶接用手袋(耐熱手袋)
  3. 呼吸用保護具(防塵マスク)
  4. 防護服(作業着・エプロン)
  5. 保護メガネ

アイテム1つ目

遮光面(溶接面・溶接マスク)

溶接をするにあたって最も代表的な防具といえば「遮光面」です。
溶接ではアーク光と呼ばれる非常に強い光が発生します。
アーク溶接の光は太陽光よりも強く可視光線だけでなく、紫外線や赤外線も多量に含まれています。肉眼で直視すると、火傷のような炎症を引き起こします。
数時間後に強い痛みや異物感、涙が止まらない、視力低下といった症状が現れる恐ろしいものです。

遮光面には

遮光度(シェード)と呼ばれる濃さの基準があります。
数値が大きいほどレンズが濃く、強い光を遮断できます。
DIYで使う100Vの小型MIG溶接やアーク溶接→シェード1011程度
出力の大きな200V溶接機や厚板の溶接 シェード1213程度を目安に選ぶといいです。
また、手で持つタイプとヘルメット型がありますが、はじめて溶接を行う人は手が自由に使えるヘルメット型を選んでください。遮光面は固定式と自動遮光式の2タイプがあります。

固定式は、

レンズの濃さ(遮光度)が決まっています。
作業中は常に暗い視界で溶接を行います。
価格が安く頑丈ですが、真っ暗な視野環境で溶接を始める為、始める前の位置合わせが難しいという欠点があります。
溶接に慣れていて感覚的に位置を決められる中級者や上級者向け

自動遮光式は、

センサーがアークが出た瞬間に自動で暗くなるタイプ。
溶接を始める前は透明に近い視界で作業できるため、最初の位置合わせが簡単にできます。
価格は固定式より高めですが初心者でも使いやすく、DIY向けにおすすめです。

アイテム2つ目

溶接用手袋(耐熱手袋)

溶接時、手は最もケガしやすい部位になります。
溶接中に飛ぶ火花やスパッタは1,000℃を超えることもあります。
金属の飛び散りが直接、手に飛んでくる可能性もあります。
普通の軍手や園芸用の手袋では穴が空き、火傷につながります。

また、金属は熱を伝えやすいため、作業中に部材に触れると一瞬で高温が伝わってきます。素手でトーチや溶接棒を持っていたら、数秒で火傷します。
溶接用手袋は、こうした高温から手を保護するために作られています。
単なる厚手の手袋ではなく、耐熱性・耐摩耗性・操作性を備えています。

選ぶ時のポイントは

  1. 厚手の牛革や豚革で作られている?

牛革でも比較的、牛底革であれば安く手に入ります。

  1. 全面が革タイプ?

一部、革使用の物もあります。はじめての方は全面革の方が安心です。

  1. 全体の長さは?

ロングタイプとショートタイプがありますが、ロングの方が安心です。

  1. サイズ感は?

大きすぎるとトーチを握りにくく、小さいと血流が圧迫され疲れやすくなります。
溶接用手袋は消耗品です。
火花で穴が開いたらすぐ交換してください。
革製品の為、汚れても水洗いは避けてください。革が硬くなります。
使用後は乾いた場所に保管し、湿気を防ぐのも長く使うポイントです。

アイテム3つ目

呼吸用保護具(防塵マスク)

溶接を行うとき、目や手の保護には注意しますが、呼吸への影響は軽視されがちです。しかし実際には、溶接中に発生する煙やガスは目に見える火花以上に危険です。溶接作業中に出る白い煙を「溶接ヒューム」と呼びます。

金属が高温で溶けることで発生する微細な金属粒子や酸化物が含まれています。

これらの粒子は非常に細かくて目に見えにくいので、気づかないうちに肺に入り込み短期的には喉の痛みや咳、頭痛。長期的には肺疾患や呼吸器系の病気につながり体に有害な影響を及ぼします。

そのため、呼吸用保護具の着用は溶接における必須の安全対策なのです。
呼吸用保護具には種類があります。

使い捨てタイプ

短時間の作業に向いていて、手軽で安価に手に入る。
N95規格やDS2規格など微粒子対応のものを選ぶと安心です。
隙間があると粉塵が侵入してしまうため、顔にぴったり密着させて下さい。

フィルター交換式タイプ

長時間作業やステンレス・亜鉛メッキなど有害成分を含む材料の溶接には必須です。
フィルターを装着し、有害ガスや金属ヒュームをしっかり除去してくれます。
初期投資はかかりますが、フィルターを交換すれば長く使用できます。
家庭用DIYで溶接するぐらいでしたら、使い捨てタイプで十分対応出来ます。

しかし、屋内作業が多い場合やステンレス・亜鉛メッキ材を扱いたい方は、有害物質を効率よく除去する、フィルター交換式タイプの方がオススメです。

フィルターの交換時期を必ず守って下さい。
フィルターが寿命を迎えると性能が落ちてしまう為、使用時間や吸気の重さで交換目安を判断し交換して下さい。

作業時間短いから、マスクは少し息苦しいから、とつけずに作業をする方もいますが最初は違和感があっても、慣れると装着していない方が不安になります。

家庭用DIYでは、換気が十分にできない環境で作業することが多いです。
使い捨てタイプなら1枚数百円です。マスク1枚で肺を守れるなら、安い投資といえます。
どんなマスクを使っても、密閉空間では完全に安全とは言えないので

必ず換気扇や送風機で空気を入れ替える意識をして欲しいです。

アイテム4つ目

防護服(作業着・エプロン)

何度もお伝えしていますが、溶接中に飛び散る火花(スパッタ)1,000℃を超える高温になることもあり、普通の服では簡単に穴が開いてしまいます。

ポリエステルやナイロンなど化学繊維は、火花が当たると一瞬で溶け、皮膚にくっついてしまいます。これが大きな火傷の原因です。

服装選びは命を守る重要なポイントの1つです。
溶接時にオススメな防護服の特徴は、難燃加工つき作業着や綿100%は軽くて動きやすい為、DIYや短時間作業に向いています。
革製のエプロン・袖カバーなど、胸から足まで覆う革エプロンは、火花から強力に守ってくれます。
袖カバーを追加すれば、普段の作業着でも安全性が高まります。

つなぎ型防護服

全身を覆うタイプは、火花が隙間から侵入しにくく、安全性も最も高いため工場や長時間作業にする場合はつなぎがよく使われています。
厚手の綿100%や革素材や難燃加工が施されています。
家庭用DIYで使用なら、いきなり高額なプロ仕様を揃える必要はありません。
綿100%の作業着、夏でも長袖・長ズボンが良いです。

革エプロン+革手袋
これだけで、普段着や軍手で溶接するのとは比べものにならないほど安全になります。

防護服の着用ポイント

袖や裾を絞る:火花が服の中に入り込まないようにする。

首元を閉じる:開襟シャツやファスナーを開けたままはNG
靴との隙間をなくす:火花が靴の中に入ると非常に危険。
本当は革製の安全靴の着用がおすすめ。
汚れや穴を放置しない:火花が穴から侵入すると防御効果がなくなる。

防護服のメンテナンス

洗濯:綿製は通常の洗濯可能。ただし柔軟剤は難燃性能を下げる場合があります。

革製品:水洗いは避け、使用後はブラシで汚れを落とし、乾燥させてから保管。

消耗品と意識する:穴が開いたら即交換。防護性能が落ちた服は事故につながる可能性が高くなります。

アイテム5つ目

保護メガネ

溶接を行う際、遮光面があるのに保護メガネが必要なの?遮光面があれば十分だと感じますが実は、それだけでは目を完全には守れないんです。溶接では強烈な光だけでなく、金属の粉塵や破片が飛び散ります。遮光面はアーク光を遮るための防具ですが、常に顔を覆っているわけではなく、作業準備や後片付け、スクラブ除去などの仕上げ時などはマスクを上げて作業する事が多いです。その瞬間に目を傷つける事故が発生しやすいため、遮光面と併用して保護メガネを着用する必要があります。

保護メガネといっても様々なタイプがあります。

ゴーグル型は

側面や下からの飛来物も防げるタイプで粉塵や破片の多い作業にオススメです。

メガネ型は

普段のメガネに近い形で短時間作業や軽い溶接後の片付けにオススメです。

オーバーグラス型

普段メガネをかけている人が、その上から装着できるタイプです。
度付きメガネ使用者にオススメです。

レンズの特徴と選び方

透明レンズ:最も一般的で視界が明るく自然。
スモークレンズ:屋外作業や眩しさが強い環境にでも安心。
曇り止め加工:呼気や汗で曇りやすい状況でも快適。
傷防止加工:グラインダー粉塵などでレンズが曇るのを防ぎ、傷がつきにくい。

溶接作業中は遮光面でアーク光をから目を守り、作業準備や仕上げ作業、片付け時など遮光面を外したら、必ず保護メガネを装着し溶接時だけでなく溶接作業に関わるすべての工程で常に目を守る意識が重要になってきます。
安いものだと、1,000円程で購入できます。
使用後は柔らかい布で拭き、保護ケースに入れて保管し、レンズに傷がついたら視界が悪くなるので買い換えてください。
熱源や直射日光の当たる場所に放置すると、変形や劣化の原因になります。

ここまで紹介した5つの防護具は、溶接する時に必要な準備でどれか一つでも欠ければ事故やケガのリスクが高くなります。

遮光面:目を守る

溶接用手袋:手を守る

呼吸用保護具:肺を守る

防護服:全身を守る

保護メガネ:粉や破片から守る

はじめて溶接に挑戦する方にとって、安全装備は少し面倒に感じるかもしれません。しかし「備えあれば憂いなし」です。

弊社では家庭用DIY向けに扱いやすい溶接機とあわせて、初心者でも安心して始められるように届いてすぐに使える付属品もまとめて一式セットでお届けしております。